 日本の悪霊 [DVD] |
原作とはだいぶ内容が異なりやくざ映画になってしまいました。 オープニングの渋川の町並みに流れる岡林のラブジェネレーションが最高でした。３０年前劇場で見たはずなのに覚えていたシーンは岡林がリヤカーを引いてガイコツノ歌を歌うシーンだけ。監督はあえて白黒映画で閉塞された時代感とリアル感をだしている。佐藤慶が二役だったとは・・・ラストで村瀬は死ぬのか？ やくざと学生運動がどうリンクするのか？答えは自分の中にある。 |
 子は親を救うために「心の病」になる |
私は、うつを６年ほど前から患っています。きっかけは、仕事上の問題でした。私は、イエスを信じる者です（キリスト教ではありません）。そのような思考回路の元、上司が「神」になってしまいました。しかし、神の言うことは一貫性がなく、特に複数の神（上司）が私に、別々に違う意見を言うようになったため、破綻をきたしてしまいました。
精神科やカウンセリングを受けるようになり、発覚したのは、親の問題でした。厳格で私と価値観を異にする両親に育てられた私には、深い部分で精神的な問題があるとの事でした。 私がイエスを信じるようになったのは、「生きていたくない」という思いの裏返しでした。しかし、聖書で説かれるのは「親の愛」です。私の親は、私が求める物を与えてくれないだけでなく、私にとって聖なる物（友達や信仰）を「そんなもの！」として、吐き捨てました。成績が悪い子とつきあうと、その当時の担任の先生から、同じ教師をしていた自分の母親に告げ口がありました。「お前、バカとつきあってるんだと！」。担任に対する信頼も、母に対する愛情も、このような環境の中で失われていくということは、容易に想像して頂けると思います。 病んだ心はなかなか癒せるものではありません。しかし、この本は、そんな自分を理解してくれました。大いなる救いでした。同じ苦しみを持つ方は是非ご一読下さい。また、個人的に私にアクセスしたい方は、以下のブログからお話しして下さい。 http://ameblo.jp/tsm-revolution/ |
 人は変われる―大人のこころのターニングポイント |
セルフヘルプ系の本はたくさんあるけれど、どれもある意味ポジティブの押し売り的な感じがして今ひとつでした。
専門家がここまでまじめに赤裸々に、経験したことだけを頼りに、人が変わることを真剣に考察した本は初めて読みました。 それだけに口当たりのいい“変身の魔法”は書いていないけれど、自分としては深く感じるところがありました。 人が変わるということは簡単なことではないのでしょう。それは私達が期待するようなサッと起こって明日から人生がラクになるようなことではなく、自分は何者かを知ることなのだと言う事がよく分かりました。 作者は本の最後に心理学的な見地からの運命論にまで踏み込んでいらっしゃいますが、自分としては非常に納得できました。 ちょっと専門家向けという感じもしますが、私のような素人にとっても素晴らしい本でした。あんまり押し売りはしたくありませんが、 私にとって人生でベスト５に入る本です。 |
 悲の器―高橋和巳コレクション〈1〉 (河出文庫) |
ポストモダン小説理論の登場と共に、「全共闘世代の作家」として抹殺された高橋和巳の、事実上のデビュー作であると同時に最高傑作。 師と仰ぐ埴谷雄高は、本作から後の彼の軌跡を「だんだん小さくなる。文学が向かうのは無限大でなければだめだ」（鶴見俊輔「埴谷雄高」）と好意的にではあるが揶揄し、柄谷行人は「下手な小説家」と一蹴する。柄谷をはじめとする近時の文芸評論家からみて、本作品が低い評価しか受けない理由は明白である。彼の小説には、テクスト分析の格好の対象となる「空白」が少ないからだ。「作者の死」というテーゼは、作者の情念が濃厚に書き込まれている本作では有効に作用しないだろう。 多様な解釈を許す小説ほど面白い、というイデオロギーでは、彼の小説に相対することはできない。というのは、ひとつの理由として、彼の小説の力は、例えば本作品で言えば、「正木厳法学説」などの学問的フィクションが小説の内容と深く拘っていることを挙げておきたい。さらに一言すれば、本作品に即して言えば、高橋和巳がこの「学説」を考案するに当たり大きく影響を受けたのが、ポストモダニズムが一つの克服の対象としたフッサール現象学であることも、この作品の評価をさらに下げている理由であろう。 小説というものは、いくら緻密に書こうとも、読者の読みはいくらでも変わってくるものである。たとえば、一つの提案として、ハンナ・アーレントの「公と私」という概念から本作を見直してみることもできよう。主人公の正木にとっては、私生活とは公人正木典膳にとって、どういう関係にあったのだろうか、など。 再び高橋和巳が広く読まれるような時代は到来しないであろうが、心ある読者には読みつがれて欲しいものである。 |
ダラムサラからの手紙 Letter from Dharamsala
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